こないだ、
バンドマンのコンサルをしました。
「1年やっても動員が増えない」
「チケットがなかなか売れない」
と嘆いてたので
飲み行くついでに話を聞いてみたんです。
売れないバンドの特徴
彼らは5ピースバンド。(5人体制)
集客先は主に人脈。
新規バンドだからまだ歴は浅いけど
音楽キャリア自体はみんな長いから、
昔から仲の良い
バンドマン仲間をライブハウスに呼んで
チケットを捌くスタイル。
まるでねずみ講みたいな図式。
(ライブすることが目的になってんな…)
と思いつつ、話を聞き進めます。
バンドメンバー1人あたり
平均でどのくらい呼べるの?
→1ライブにつき、1人あたり多くても3人。
実際、友達付き合いじゃそんなもん。
…大きく見積もって平均2人としよう。
じゃあ新規顧客は?
→まぐれでゲット。
たまたまSNSから
お客さんが流れてきてくれたら
みんなで飛び跳ねて喜ぶんだそう。
「俺たち運いいね!」
と。
これまで15回ライブしてて、
新規はそのうち2人来てくれたそう。
なんのマーケティング対策もしてない
ただそこにあるだけのバンドアカウント。
飛び跳ねる気持ちも分かる。
だって誰も来るわけないんだもの…
それで、チケットノルマは?
→1ライブにつき2000円×20枚。
これがすべて捌ければ黒字。
ということは
人脈動員平均2人×バンドメンバー5人=毎ライブ10枚販売
新規顧客→過去に2人=1年間で2枚販売
以上が利益の出どころ。
つまり彼らが1回ライブするごとに
2万円の赤字が出る計算です。
これまで15回ライブしてきたので、
まぐれの新規顧客4000円を足すと
1年間で296,000円失った計算です。
1年間の負債296,000円÷バンドメンバー5人=1人あたり1年間で59,200円の赤字
59,200÷12ヶ月=毎月4,933円の支出オーバー
みんなバンド活動を優先するために
アルバイトしかしてなくて。
バンドの集客ができないから
4933円分の仕事を増やすしかなくて。
ならば、ライブ頻度を下げるしかない。
でも、ファンを増やしていかないと
バンドの収益が増えていかない。
でもでも、ライブをするとまた
バイトを増やさなきゃいけない。
練習時間がどんどん減っていくし、
曲を書く時間も取れなくなっていく…
バンドという、人生の楽しみを削らずに、
バイトに時間を奪われるか?
それとも現実を見て、
人生の楽しみを減らすか?
究極の二択。
→八方塞がり。
一通りこの話をしたら
「なんでそんなことが分かるんだ!?天才か!?」
と言われてしまった。
僕はただ算数をしただけです…
なんだかお腹が痛くなってきました…
バンドはリストマーケティングとの相性がいい
知識がないまま立て直すのは
あまりにも無理ゲーですが、
幸い、僕には知識がありました。
『リストを保有する』
という選択をすれば、
これまでより少ない労力で
これまでより圧倒的に稼げます。
つまり、リストマーケティングを打つのです。
「なるほど…マ”ル”ケティングか…!!!」
どうしてこうもクリエイターって生き物は
作るのが上手くて売るのが下手なのか…
(彼ら、音はピカイチ)
バンドの公式LINEでファンクラブを作った事例
僕は彼らに
『公式LINE』の使い方を教えました。
アカウントは開設してあったんですが、
まったく機能してなかったので…
公式LINEには
『自動メッセージ返信機能』
というものがあります。
友だち追加してくれた人に
特定のメッセージを入力してもらうと、
あらかじめセットしておいたメッセージが
自動的に返信される仕組み。
「この機能を活用してファンクラブを作ったらいいよ」
とアドバイス。
特定のメッセージを
LINE友だちに配布して、
限定公開設定しておいた
YouTube動画のURLを送るのです。
ただ「追加して!」なんて言っても
「なんでだよw」で終わります。
が、
友だち追加特典があれば
快く追加してくれるし、ファン化も自動で進む。
さっそく彼らは
心霊スポットロケ企画を組んで
山奥に収録しに行きました。
(バンドマンは思考がやや過激なのです…)
バンド=リストマーケティングしないと破滅する
この出来事から
『リストを取るって頭がないとビジネスは破滅する』
ということが分かりますね。
もしも彼らが、なんの対策もなしに
バンド活動を10年続けていたら。
総額296万円の赤字です。
「月5000円くらい稼げるだろ?」
そりゃそうですが、時間は有限です。
人間社会、
トレードオフで生きてかなきゃ
いけないわけで。
スキルのない者が
何かを優先したければ、
別の何かを
犠牲にしなきゃいけないんですよ。
彼らがあのままの状態で
バンドを続けるとしたら…
動員は増えず、
バイトも減らせず、
人生の充実度は
老いるごとに下がってたことでしょう。
「俺たち、これでいいんだっけ?」
再就職不可能な年齢になってから
冷静になっても遅い。
それか早めに気づいて…
「俺たちのバンド、何が足りなかったんだろう…」
苦い青春の味だけを残して、
ごく普通の会社勤めをするしか
道はなかったでしょう。
「才能があっても稼げるとは限らないよね」
なんて悲しいセリフを吐いて
自分を慰める人生…
ちっとも興味ねールーティンワークに
己の人生を捧げる暮らし…
あらかじめ正しい知識を持って
バンド活動の早い段階で一発当てられてれば、
YOSHIKIや小室哲哉やヒャダインのように
音楽だけで食って行けたかもしれないのに…
楽しい!で満たされる人生を
若いうちから歩めたかもしれないのに…
悔やんでも悔やみきれないね。
PS.
バンドマンに限らず、
これは誰にでも起こることです。
「自動で稼いでぐうたら暮らしてる奴が
この世のどこかには存在してるらしいけど、
私にはムリだったわ…w」
たったこんだけで
夢を終わらせるほうがムリでしょ。
夢を夢で終わらせないためには、
『ネットで稼ぐ』
というたった1個の未知の価値観を
ロジカルに身に付ければいいだけです。